職場で人間関係のトラブルになるというのはどのような場合でしようか。
部下を持ちたての時は、相手に気に人られようとするあまり、相手の一言一句に振り回されそうになります。
でもそんな時相手をよく観察し、「この人はなぜこんなにいつも怒ってイライラしているのだろう」とその心理を理解することは重要です。
何故なら相手を真に理解すること(つまり相手の恐怖や劣等感を知ること)によって、これは自分の問題ではなく、相手の問題だと分かり、本当の問題解決の道が見えるからです。そして、相手への恐れや怒りが消えて、不意に激しい言葉をぶつけられても心を平安に保つことができます。
しかしいきなり相手を観察しようとしてもうまくいきません。
なぜならあなた自身に心のバイアスがかかっているからです。
あなたは人から認められることや、ちやほやされることを嬉しくなる方ですか。
(つまり承認欲求が強いほうですか。)
親子関係でつまづきがあり、人に気に人られること、褒められることばかりを考える習慣が既に身についているのかも知れません。
あるいは小さいころから甘やかされた環境で自分の本当の自信を作り上げる経験を積み上げなかったために、深い心の奧で劣等感に苛まされて、本当の自分より良く見せたいという欲求が強いのかも知れません。(ナルシスト)
ありのままの自分で生きることが幸せの第一歩ということに気が付き、自分の能力と理想を一致させて、日々地道な努力の中に幸せを見出すことができれば、自分に自信が戻ってきます。そのうえで相手のことを観察すると、自分と相手との依存関係が分離され、より偏見なく客観的に相手を観察できるようになります。
*このような心のうつ状態を克服するためにこちらもご覧ください。
siawaseusagisan.hatenablog.com
そうした心の落ち着きを手に入れた後、他人をよく観察してみましよう。
職場でのトラブルを起こす原因は、実は先に書いた自分らしく生きるための自分自身への課題と深く関連してきます。
自分の中にある問題を正しく理解することで、相手の心(恐怖や劣等感)を理解することができます。
そして、これは大変不思議なことですが、相手の恐怖や劣等感を理解するだけで、そのことを相手に何も伝えなくても、相手の態度は軟化してくるのです。
(相手は心の内を気が付かれたことを察知するのかも知れない、あるいは自分の態度が平静に保たれるので、相手の方で何を言っても無駄だとあきらめるのかもしれない。)
傾聴は心理学の用語で、相手に話させることに重きを置いています。実際の職場での現場では、具体的な解決策を早急に提示しなければいけない場合もあり、そんなに悠長なことを言ってはいられません。しかし私の経験では職場内の不満を持って私の所に来た人で、一時間不満を吐き出してその後に、なおも納得しないで帰った人は一人もいません。
時間はかかりますが職場の安定を図るために職場リーダーが傾聴を用いることは、効果が大きいと思います。
最近では信頼関係を重視する職場運営が注目されています。
昔はポトムアップの職場運営がなされていましたが、その後欧米流にトップダウンに変わりました。しかしそれでも経営意思決定に時間がかかり、しかも現場の実態が見えてこないという問題が相次いだためです。
職場メンバー間の信頼関係構築のためにも、職場リーダーが良く人を観察し、話を聞くことは最も大きな課題と言えます。
職場のトラブルの原因となる恐怖や劣等感は次のような状態を引き起こしました。
①自分の理想が実力に伴っていない、現実が自分の能力を超えている、完全主義
これからこれら一つ一つの私が対応した経験を紹介したいと思います。