自分の思うことを1 0 0 %実現しなければ満足できないのが完全主義者です。
休みの日でさえ、自分の行動がすべて無駄なく利益に結びつかなければなりません。
行動の目的は自己実現ではなく、周囲に評価されることです。
だから相手と心を通じ合わせて、自分が想像したことをはるかに超えた素晴らしい解決策を得ることができるという事は想像もできません。
細部にこだわりすぎて、全体のバランスやスケジュールなどの周囲に影響を与える事柄もすっかり抜け落ちてしまいます。
完全主義者の人は仕事が思うようにいかないと、それを否定して途中で放り投げてしまうことが多いです。
周囲と折り合いをつけて、自分が納得しなくても、全体最適の見方から、ある程度のところで仕事にけりをつけようとは思いません。
完全主義者が一体なぜこんな心理状態になるのか考えてみたことがありました。
キーワードは恐怖や劣等感の原因は何かでした。
完全主義者は人生に喜びを見出せません。何をしても成果が頭をよぎってしまいます。
自分が欠点だらけであっても、まったくそれを気にすることなく受け人れてもらえることを想像できません。
自分の心の内を話して、重荷を受け取ってもらうという経験がないかのようです。
恐らく親子関係で問題があったのだろうと想像できます。
完全主義者はある意味うつ状態にあると思います。
人に良く思われることを重視し、自分の欠点を極端に認めない。
あるがままの自分を受け人れず、自分の理想を実現する程の実力はないことは心の底で感じていて劣等感を隠し持っている。
自分のことで精いっぱいだから、他人の気持ちに思いを巡らすことができない。
批判する相手に極端に反発する一方、その人から離れられない依存心を持っている。
だから自分がいくらダメージを被る可能性があっても、相手を徹底的に攻撃することをやめない。
自分の社会的責任の範囲を極めて狭くとらえており、その中での完全を目指しているにすぎないことに気が付いていない。
自分の理想を相手に押し付けるがために、信頼関係が損なわれ、もはやチームがバラバラになってしまうことの悲しさを全く感じることができない。
他人の失敗の影響が自分に降りかかることに極端に敏感で、それを事前に察知してあれこれ他人の行動に干渉する嫌いがあるなどです。
このような完全主義者の部下を持った人はどうしたら良いでしようか。
私は過去にこんなことを取り組んだことがありました。
①仕事上の最低限守ってほしい事を明確にして、その他は自由に任せる
②他人の課題と、自分の課題は分離されている、他人の失敗であなたは責められることはないことを説明する、そして仕事の責任範囲を明確に伝える
③人の意識が変わるには時間がかかることを説明する
④トップダウンより信頼関係の職場運営を目指していることを伝える
信頼関係を築くためには、ありのままの自分を認め、自分の欠点をも相手と分かち合うことが必要なことを諭す
⑤今のままではうつ状態(燃え尽き)に陥ることを心配している旨を伝え、静養と長時間労働回避のための仕事の仕方を変えることを提案する
これらの取り組みは決して成功ばかりではありません。決裂して他部署へ異動してもらうしかないこともあります。
職場リーダーは傾聴と対話に最善を尽くす一方、いつでも対応が取れる人事案を並行して備えていかなくてはなりません。組織案を考えて眠れない日もあるかも知れません。
しかし、このような職場人事対応の経験は日の当たらない仕事のゆえに、それに耐え抜いた職場リーダーに対して底堅い自信と力を与えてくれるに違いありません。
乗り越える前は大きな壁であったものが、乗り越えた後は米粒になるという貴重な経験をすることが出来ます。
次回はナルシストについて考えてみましよう。
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各ステッブの記事とまとめの記事をリンクさせますので振り返ってご覧ください。